- うま
- I
うま【午】(1)十二支の七番目。 年・日・時刻・方位などにあてる。 ご。(2)時刻の名。 今の正午頃。 また, 正午から二時まで。 または午前一一時から午後一時までの間。(3)方角の名。 南。IIうま【甘】〔ク活用の形容詞「うまし」の語幹から〕他の体言の上に付き複合語として用いられる。(1)味がよいの意を表す。
「~酒」「~煮」
(2)生まれの尊貴な, の意を表す。「~人」
(3)眠りの深い, 快い, の意を表す。III「~寝(イ)」
うま【馬】〔「馬」の字音「マ」に基づいてできた語〕(1)奇蹄目ウマ科の哺乳類。 肩高1.2~1.7メートル。 長い顔とたてがみをもつ。 走ることが速く, 力も強い。 毛色はさまざま。 草食。 モウコウマを起源にもつとされ, 軍用・役用として古くから家畜化された。 日本では農耕・運搬・乗用などに使ったが, 今日では主に競走用・乗馬用に飼育される。 皮・骨・尾の毛なども利用する。 むま。 こま。(2)四方に脚部があり, 上に乗れるようになった道具。 脚立(キヤタツ)・踏み台など。(3)競馬。(4)将棋で, 桂馬および角行の成り駒の竜馬の称。(5)木製の脚つき台にしんを張り, 布で覆ったアイロン台。 ジャケットの袖や肩の仕上げに用いる。 仕上げ馬。(6)双六(スゴロク)の駒。「~おりぬ双六/枕草子 139」
(7)遊興費・飲食費の不足額を取り立てに客の家までついていく者。 つけうま。「~を引いて朝帰り」
(8)(動植物の名などの上に付けて)同類の中での大きなものの意を表す。「~虻(アブ)」「~すげ」
〔中古以降, 「むま」と表記された例が多い〕→ 駒~が合・う気が合う。「あいつとはどうも~・わない」
~肥ゆる〔漢書(匈奴伝)「匈奴至秋, 馬肥弓勁」による〕秋になって馬が肥えてたくましくなる。 ﹝季﹞秋。 《~みちのくの旅けふこゝに/山口青邨》→ 天高く馬肥ゆ~には乗って見よ人には添うて見よ物事はまず経験してからよしあしを判断せよ。~の背を分ける馬の背の片方に雨が降り, もう片方には降らないの意で, 夕立などがごく近い地域で降る降らないの差ができる状態をいう。 馬の背を越す。~の耳に風馬は耳に風が吹きつけても感じないことから, 人の意見を聞き流すさま。 馬耳(バジ)東風。~の耳に念仏馬に念仏を聞かせてもそのありがたみがわからぬように, いい聞かせてもその価値がわからないさま。 犬に論語。 兎に祭文。~は馬づれ同類は集まりやすいということ。 また, 同類はいっしょに事を行うのがよいというたとえ。 牛は牛づれ。~を牛に乗り換える速い馬を遅い牛に乗り換える意。 よいものを捨てて悪いものに換えるたとえ。~を鹿(シカ)「鹿を指して馬となす」に同じ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.